受けとめられる「泣き」で心の成長を
夏休みが明け、元気いっぱいのお子さま達の声が幼稚園へ戻ってきました。幾分背が伸び、最初は久しぶりの友達や先生達との再会に少し照れくさそうな様子も見られましたが、しばらくすると友達と声を出しながら笑い合ってかかわりを楽しむ姿が見られました。また、特にプレスクール、そして年少組のお子さま達は久しぶりの幼稚園でしたが、泣かずに登園し、また泣いていてもしばらくするとすぐに泣き止んで、元気に過ごす姿に驚かされました。
「笑う」「泣く」「怒る」など、人間には様々な感情がありますが、「笑う」と「泣く」の感情はどちらもストレスを解消する作用があると言われています。特に「泣く」という行為は、悲しさやくやしさ、うれしさなど感情が強く生じた時に涙が出る現象で、強い感情を外に放出させることで、心の中に溜まっている澱(おり)のような感情が解放され、気持ちが浄化され落ち着いていくそうです。一方で、小さいお子さまは、感情を外に放出する量がまだ調節できず、感情をコントロールする力を養っている時期ですので、経験したことのない状況に置かれた時や自分の気持ちが消化されない時には、まだまだ心のおもむくままにたくさん泣いたり、泣き止むまでに時間がかかったりします。
「泣き」の感情(いつまでも長く泣く、叫ぶように泣くなど)がコントロールできるようになるのは、「泣きを受けとめてもらう経験が多いこと」です。お子さまが大きな声で泣いたり、いつまでも泣いたりしていると、つい「早く泣き止みなさい」「なんでいつまでも泣いているの」と突き放してしまうことがあるかもしれません。しかし安心、信頼のおける人に「泣き」を受けとめられ、一緒に問題解決をしてもらう経験を積み重ねると、自分の感情を自分で収められるようになり、慰めてもらわなくてもそうしてくれる人を思い浮かべて、自分の感情をコントロールできるようになっていきます。
2学期初め、久しぶりの幼稚園にも泣かずに幼稚園へ来られるようになったお子さまは、1学期中または2学期が始まる前に、大好きなご家族のみなさまが「不安なことがあるかもしれないけどいつでも見守っているよ、こんな楽しいことがあるよ。」と安心できるかかわりをされているからこその姿だと感じました。
「泣く」経験ももちろん必要です。2学期も様々な活動やイベントがあり、日々お子さま達にとってうまくいかないこと、新しい挑戦をしていくことがあるかと思いますが、たくさんの「笑い」そしてたくさんの「泣き」を経験しつつ、それを大好きなご家族の方や教職員にやさしく受けとめられ、一回りも二回りも大きくなってほしいと思っております。
夏休み中に、幼稚園バス全4台に『バス車内置き去り防止安全支援装置』が付きました。暑い日がまだまだ続いておりますが、登園から降園まで、お子さまの安全を第一に2学期も進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。