「自己肯定感」を育てる褒め言葉
いよいよ一年の最後の学期、三学期がスタートしました。
年少、年中、年長組それぞれのお子さまにとって、三学期は一人ひとり成長の喜びと、次の世界への期待と、ちょっぴりの不安で胸をいっぱいにする学期です。幼稚園の教育計画上からも、それぞれの学年に掲げた発達課題を達成し、次の学年へとステップアップする学期になります。
三学期は、日数の上からは一番短い学期ですが、とても大切な期間ですので、お子さまの健康管理にご家庭でも十分ご留意いただけたらと思います。
さて、先日新聞に「いい子症候群」が日本の若者に増えている、という記事が載っていました。目立つことを嫌がり、平穏に収めたい。協調性があり、礼儀正しくも見えるけれども、変化や負けることが嫌なので、自分の意見を直接的には言わず、またそのような可能性があるものは行わない、という心理をもつ人達が新成人に多く見られる、ということです。そもそも日本人は不安を感じやすい遺伝子をもっている人が人口の65%を占めているという調査結果があります。(アメリカは19%)バブルが崩落し、景気、経済が停滞する中、挑戦が成長に繋がらない現状から、守り一辺倒を優先させた親の影響もあるそうです。
しかし幼稚園時期のお子さま達は、今まさに、時に大人を困らせ、やりたいことを主張し、様々なことに挑戦しています。経験が少ない分、失敗もたくさんしますが、「やったことがないからやりたくない」、「やってみてできるようになった!」、「これはできると思う、できた!」を繰り返すことで心が成長していくのです。そのような気持ちを大きくなっても持ち続け、協調性や礼儀を大事にしながらも、自分の意見をもち、それを伝えること、変化にも負けずに挑戦する姿勢は持ち続けてほしいと思っています。
そしてそのような姿勢をもち続けるために、今のお子さま達にかけたい大切な言葉が、「そうだね」「がんばっているね」「私も嬉しいよ」などの肯定的で共感的な褒め言葉です。
「自分はみんなに大切にされている」という安心感と、少しでもやってみる、少しでも頑張ってみるとできるようになり、それによって身に付く「本当の自信」。これらが身に付くと、大きくなって何かで失敗したり、上手くいかないことがあった時も「自分はダメなんだ」ではなく、「違う方法でやってみよう」や「次へつながるチャンスかもしれない」と考えたり、周りの人に何かを言われても「自分のために言ってくれている」と前向きに捉えることができます。
大きな成長とともに変化に伴う不安もある三学期。「なんで○○しないの」という否定的な言葉は使わず、お子さまの存在自体を褒めて、「自己肯定感」を高めていきたいですね。
まだまだ寒い日が続きますが、北風公園で元気いっぱい体を動かし、冬の自然に触れ、そして世界への関心を高め、過ごしていきたいと思います。三学期もどうぞよろしくお願いいたします。