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「豊かな心」が育つ、人とのかかわりがある絵本の読み聞かせ

 初雪が降った日には、「クリスマスが来た!」ととても嬉しそうに幼稚園へ登園してきたお子さま達。そして、玄関に飾られたクリスマスツリーを見ては、「サンタさんは、幼稚園にはいつくるの?」「私の欲しいものはね…」と日ごとにクリスマスへの期待が高まっているお子さま達です。

 さて、幼稚園では楽しかったHyogen Festivalの余韻が続いており、アイテムを身に付け、本番とは違うキャストになって「友達のセリフも覚えているよ、任せて!」と言わんばかりに自信満々に演じたり、忙しそうに複数のキャストになり代わったり、HTの真似をして最後のキャスト紹介をしたり、帽子だけを身に付けておままごとや製作を楽しんでいたり、とそれぞれが楽しんでいる姿が見られています。またその中には、自分のクラスや他のクラスが行ったEnglish Playの絵本をじっくりと読んでいる(読み直している)お子さまもいます。

 お子さま達は絵本の読み聞かせの時間や、友達と一緒に読むこと、そして一人でじっくり読むことが大好きです。日常生活の中で味わうことのできない不思議な体験・空想の出来事が、あたかも本当のことのように思える面白さ、それを存分に与えてくれるのが、絵本の魅力です。また、年長組は文字を読めるようになるので、声に出して読むことや、友達と読み合う楽しさも感じています。

 昨年NHKが「幼児のメディアとのかかわりの実態」ということで、幼児が一日にテレビを見る時間やDVDの録画をみる時間、インターネットの動画を見る時間が調査され、年々その時間数が増えているという結果が出ました。動画はとても楽しく、色々な情報を与えてくれるものですが、全身を使って自分で操作したり、人やものに実際にかかわりながら、思考力や想像力など「豊かな心」を育んでいく幼児期に、からだを動かさず、一方的に伝えられる画面を通して、様々なことを間接体験することは、「豊かな心の発達」によい影響を及ぼすとは言い難いです。

 一方で絵本の読み聞かせは、前提としてご家族の方とお子さまという、「触れ合い」や「かかわり」があります。そしてお子さまがどんなことに興味があるのか、どんな考え方をもっているかが絵本を通して知ることができます。お子さまに近い人が絵本を読み聞かせを行うと、絵本の登場人物に自分を置き換えることにより、絵本がストレスの肩代わりをしてくれ、日常受けているストレスを発散し、精神の安定に計り知れない効果がある、とも言われています。

 物語だけではなく、図鑑や迷路、しかけ絵本など絵本にもさまざまな種類があり、「さかなが載ってる本どこだっけ。」「恐竜の本で、恐竜探検しよう!」などそれぞれが幼稚園に好きな絵本があり、何度も読み込む姿が見られています。明日からクリスマスやお正月といった楽しいイベントが多い冬休みが始まりますが、お家でじっくりお子さまとかかわる時間に、ぜひ絵本の読み聞かせを一緒に行い、一緒に楽しさや感動を共有していただけたらと思います。

 2学期も温かいご支援をありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

2022年12月21日