人とのかかわりに大切な「表現力」
いよいよ本格的な寒さに向かう12月を迎えますが新型コロナウイルスが再び猛威を振るっており、またインフルエンザも心配な時節柄です。バランスのよい食事、質の高い睡眠、心休まる休息、そして手洗いなどの清潔を改めて意識し、免疫力を高めましょう。
さて、先週末に行われた「Hyogen Festival」では、準備のための衣装製作をはじめ、当日は温かい笑顔と拍手をたくさんいただき、お子さま達は十分に成果を発揮し、達成感に溢れた顔をしておりました。お子さま達の成長を感じ、無事終えられたことに、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
「Hyogen(表現)」は、英語で“Expression”と言いますが、「ことばや顔、態度で心の動きを行動に表わす」ことです。ことばづかい、言い回し、声の音調、顔の表情、しぐさなど、まさに「人間」だからできる技量であり、喜びや嬉しさ、悲しみなど色々な感情をことばや表情で豊かに表現できる「表現力」がある人は、魅力的で、人とかかわりを深めるためにはとても大切なスキルです。
Hyogen FestivalのMusicそしてEnglish Playやオペレッタに取り組む中で、われわれ教員が大切にしていることが「表現力」です。
Musicでは、音を聴いてリズムに合わせて楽器を演奏することももちろん大切ですが、曲調を意識し、情景をとらえ、それを音楽で表現することをとても大事にしています。例えば「あわてんぼうのサンタクロース」をハンドベルで演奏する際には「『あわてんぼう』ってどんな感じかな?」とイメージをしてみたり、「きよしこの夜」をトーンチャイムで演奏する際には「『静かな夜』に響く音ってどういう音かな?」などです。またEnglish Playは、覚えた英語を発表することももちろん重点を置いておりますが、English Playやオペレッタの物語の一登場人物として、その役を表現することも大切にしています。各クラスでは、セリフや歌、踊りを覚えるのと同時に、物語を何度も読み返し、登場人物の気持ち、場面状況などをお子さま達と確認していきます。特に年長組は生活体験が年少組より豊富で想像力も豊かなので、「ピノキオがくじらのお腹のなかでおとうさんと再開した時はどんな気持ちかな?」「野獣に変えられてしまったPrinceはどんな気持ちでいるのかな?」など問いかけると、お子さま達はよく考え、友達と話し合い、演技における表情や態度を工夫していきます。年少組さんも、年少組さんなりに「怒っている、嬉しい、悲しい、楽しい」気持ちをカラダいっぱい表現することができます。
「Hyogen Festival」への取り組みを通して培った「表現力」は、友達とのかかわりの際、自分の気持ちを言葉や態度で一方的に伝えるだけではなく、相手の気持ちを理解し、感情をコントロールして友達とかかわったり、また友達と一緒に喜びや悲しみ、楽しみを共有できる力にも繋がります。残りの2学期、「Hyogen Festival」の余韻を楽しみながら、友達、クラスのかかわりを益々深め、また表現の基礎になる感性や感動をもたらす体験、発見がある生活を送っていきたいと思います。