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「いのちを大切にする心」

 年中組は初めての宿泊体験学習を控えておりますが、一人ひとりのお子さま達の素晴らしい成長に溢れていた1学期が終わりました。ご父母さまにおかれましては、園の教育にご理解とご協力を頂き、本当にありがとうございました。
 さて、暑い日が続いておりますが、5月にお子さま達が植えたIYKガーデンの「トマト」、「ピーマン」は小さな実を結び、「じゃがいも」は紫色の花を勢いよく咲かせました。お子さま達は、外へ出る度に「葉が大きくなった」、「花が咲いた!」と野菜の生長を喜び、水をあげたり雑草を抜いたりし、8月の収穫を楽しみにしています。
 植物は人間と同じように視覚や聴覚、嗅覚、触覚を持っており、さらには、それ以上の15の感覚を持っている、と言われています。例えば視覚や触覚を使って、日や雨に当たるように葉を動かし、隣の植物とも適度の間隔を保ち、自分で調節して大きくなっていきます。また棒を立てると、触覚で確かめながら、上へ上へと伸びていきます。音楽を聞かせると植物の気孔が大きくなり、発芽や生長が早くなる、などの研究報告もあるそうです。身近なチューリップなどは、昼は光を浴びるために花びらを開いていますが、早朝や夕方は閉じており、自分で光を調節している様子を見ることができます。雨が降った後、途端に雑草が増える様子を見ると、生命力の力強さを感じます。
 植物を栽培し、お世話をし、よく観察すると、「いのち」の不思議さと奥深さ、そして「すごさ」を体験することができます。また育ててきた野菜を収穫し食べることで、収穫の「喜び」や、食べることの「ありがたさ」も感じることができます。
 ウクライナ侵攻、元首相銃撃事件など凄惨な事件が今年は特に続き、お子さま達はテレビなどで見てお子さま達なりに知ったこと、感じたことを口にすることがあります。そのようなお子さま達に、たった一つの自分のいのちを大切にし、またいのちを守るためには人のいのちも大切に尊ばなければならないことを伝えなくてはいけないことを強く感じます。またそれを心の底から身に付けさせられるのは大事な「幼児期」です。
野菜を育てていく上で感じた「生命力」や収穫して食べる「感謝」の気持ち、また日々の人を思いやる気持ち、我慢する気持ちなど幼稚園で育んでいる心が、「いのちを大切にする心」に繋がることを願っています。8月はお盆があり、お墓参りをすることもあると思いますが、「人間のいのち」について、お子さまとお話するよい機会にしていただけたらと思います。
新型コロナウイルスが再び増加傾向にあると言われています。健康に十分気を付け、楽しい夏休みをお過ごしください。

2022年07月20日