「耳が良い」お子さまを育てましょう
早いもので、一年の最後の月、「12月」がやってきました。例年にない雪の少なさですが、これから冬本番になってまいります。インフルエンザや胃腸炎などの感染症に十分気を付けてお過ごし下さい。
さて、先週末に行われました“Hyogen Festival”。今年度はコロナ禍で数々の行事が中止や縮小、また動画配信の形にさせていただき、ご父母さまにはご迷惑をおかけしておりましたが、やっと幼稚園でのお子さまの様子を実際に観ていただくことができました。
本番では、緊張や恥ずかしさからいつも通りの姿ではないお子さまもいらっしゃいましたが、その中でも大好きなお父さま、お母さまの前で一生懸命行っている姿、そしてご父母さまが笑顔でお子さまの成長をご覧いただいている姿に、教職員一同、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。衣装の用意を始め、様々なご協力をいただきましたことに、厚くお礼申し上げます。
今年度のHyogen Festivalも感染予防のため、クラスでは大きな声を出しての歌の練習を控え、各クラスの歌唱は英語劇やオペレッタの最後の一曲だけとし、また練習から当日までマスクをしたままで発表するなど、感染対策をとりながら進めてまいりました。
本園の発表は音楽とイマージョンクラスと年長組のスタンダードクラスがEnglish Play、スタンダードクラスはオペレッタに取り組みます。English Playは、English teacherが教えてくれる「英語のセリフ」を、本来は目で口の動き、身振り手振りを見て、耳で発音を聞き、また先生達からその物語の情景や役の感情を聞いたり自分達で考えたりして、覚えていきます。しかし、今年度は「目で口の動きを見る」という部分がマスクをしているため、ほとんどできませんでした。ところが、お子さま達は耳からの英語の聞き取りで、どんどんセリフや歌を覚えていったのです。また音楽の発表では、伴奏や友達の演奏をよく聴いて、「リズムを合わせて演奏する」ということがとても上手にできるようになり、英語、音楽、どちらもお子さま達の耳から聞き取る力の成長には、連日驚かされておりました。
脳の発達は一定の基準となる時期が6歳頃と言われ、脳内で作られていく革新系細胞による神経回路は、3歳頃を過ぎてから大人の脳へとステップアップしていくのですが、その時同時に余分な神経回路は消去されると言われています。
聴覚機能の中で、最も重要なのが「言語刺激」による語感の発達と、言葉(語彙)が増えていくことによる、記憶力の発達です。これらの発達には幼児期の音に対する刺激がとても重要で、「語感」や「音感」が育てられていきます。つまり、日々英語を耳にしていることで、お子さま達は「耳が鍛えられ」余分な神経回路が消去される時期に、きちんと日本語と英語両方を聞き取ることのできる耳、脳が構築されているのです。
語学に堪能している人は耳が良く、聴覚が発達しています。また一流のスポーツ選手の多くは、「鋭い聴覚神経をもっている」と言われています。「音」に対する情報に敏感な人は、普段当たり前に聞こえてくる音から「判断する力」、「次の動きに移す力」が優れているからです。学校教育においても、「聞く力」は重要で、先生の説明を聞き取ることができなければ、集中できず、考えようとす
る力、そして理解力も深まりません。
幼稚園では、英語を聞く環境、音楽を聴く環境、そして読み聞かせの時間などお子さま達が「楽しく聞く環境」が充実しています。
自然と「耳を鍛えられる」環境を大切に、お子さま達の声を教師がしっかりと聞いて、「聞ける/聴ける耳」をこれからも育ててまいります。