笑顔と安心が育まれるスキンシップ
気温が一気に下がり、寒い冬の季節がもうそこまでやってきました。お子さま達にせきや鼻水などかぜの症状が多く見られるようになってきています。また昨年度あまり流行らなかったため免疫が形成されていないと言われているインフルエンザも心配な季節です。手洗いをこれまで同様徹底し、身体をしっかり休め、寒さや空気が乾燥する冬を乗り越えたいですね。
さて、10月に入ってから新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になり、宣言の解除や行動制限緩和の対象となる実証実験などが行われておりますが、幼稚園や学校などお子さま達が過ごす場所は、まだまだ感染対策を徹底しており、友達と一定の距離を取る、大きな声で話さない、給食時は極力話をしない、全員が同じ方向を向いて食べるなど環境の中で子ども達は過ごしています。
新型コロナウイルスの流行は、マスクで表情が見えづらくなっただけではなく、人と人との触れ合い、スキンシップの機会を失わせました。実際、マスクをしていても人が近くに来ると「近すぎる」と感じて少し距離をとったり、人が触ったものに対して「あまり触りたくない」と思ってしまうことがあり、お子さま達もそのような社会の中で今、生活をしています。
しかし、コロナ禍で失われた「人と触れ合う」「スキンシップをとる」ことは、心身を蝕むストレスを軽減させる効果があると言われています。
「肌」は外界と接触する唯一の器官で熱さ、冷たさ、暑さ、寒さ、痛みや心地よさなど様々な感覚を感じます。そして触覚によって「気持ちよさ」を感じる時、脳内では「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。オキシトシンの分泌は哺乳類特有のもので、別名「愛情ホルモン」とも言われ、信頼や愛情といった感情を高めることにかかわる物質です。特に小さなお子さまは、手を握る、背中をさする、肩に手を置く、頭をなでるなど、身体のどこかの部分だけでも手を添えてあげるだけで、安心し、落ち着きます。また家族という関係であっては、ぎゅっと抱きしめてあげる、抱っこをして話をよく聞いてあげるなど、より肌と肌を重ねることで、信頼感や安心感が芽生え、ストレスが激減します。
幼稚園にいるお子さま達は、朝登園して大好きな友達に会うと抱き合ったり、遊び時間には、肩を組んで笑い合ったり、小さい友達がいると目線を合わせて手を繋いであげたり、無意識的に大好きな人に対してたくさんのスキンシップをとっています。そしてお互い笑顔が溢れ、見ているこちらもとても幸せな気持ちになります。コロナ禍ではありますが「それはだめだよ」「離れて」という言葉はかけられません。また「人と一定の距離をとることが当たり前」という意識ももってほしくはありません。
一刻も早いコロナの終息とともに、一定の距離を置くことが普通ではなく、スキンシップで笑顔と安心が溢れる生活に戻ることを願っています。
11月は「家族の日」や「家族の週間」があります。ご家庭でもお子さまそしてご父母さまの心が充電される「スキンシップ」をたくさんとってお過ごし下さい。