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前向きな行動を起こすための力 レジリエンス

 暑さはいつのまにかすっかり収まり、過ごしやすい気候になりました。今年度のPhysical Festivalは動画配信の形ではありましたが、動画撮り当日は園庭に飾られた万国旗、玄関にあるPhysical Festivalのポスターをみて、朝からいつもと違う雰囲気にわくわくし、撮影前はクラスで大好きなお父さま、お母さまに素敵なところを見せようと意気込み、撮影が始まる前のスタンバイの際は少し緊張し、そして実際撮影が始まると楽しく、しかし真剣にダンスをする姿、一生懸命走る姿、そして終わった後のとびきりの笑顔、と色々な顔を見せていたお子さま達でした。

 さて、私達は日々生活をしていると、環境には常に「変化」が訪れ、その「変化」によって心身は不安定になり、「変化」はストレスを発生させます。特にコロナ禍である現況では、ことさら「以前はこうだったのに、今はできない」と負の変化の幅が大きく、実際にできていたことができなくなってしまっている体感が大きなストレスになっています。

 この外からの圧力による気持ちのへこみを元に戻す力が「レジリエンス」です。「レジリエンス」とは「回復力」や「復元力」などと解釈される、人間誰しもに備わっている能力です。「レジリエンス」があると心が「しなやか」になり、多少の逆境があっても、前向きに捉え、乗り越えていくことができます。

 今目の前にいるお子さま達は、少しの変化があっても、大人ほどストレスをもち続けたり、心が折れたりしません。むしろ前向きに、その変化を楽しんでいるようにみえます。それは、きっとまだ経験が浅いため、変化の幅も小さいからでしょう。大人になるにつれ経験が積み重なり、その人なりの常識が身に付き、それが悪い言い方をすると「思い込み」となり、色々な出来事に対してものの見方を歪め、意味づけをしてしまうようになります。そして、その自分なりの解釈が大きな変化となり、ストレスを生み出してしまっているのです。

 全ての出来事には「肯定的な意味」があります。もちろん嫌な出来事があると嫌な気持ちになることはありますが、「レジリエンス」があれば、心はしなやかになり、物事を「肯定的」に捉え、次の楽しみへと向かうことができます。

 まだ経験が浅くレジリエンスが身に付いていないお子さま達へのかかわり方も、とても重要です。お子さまの言動に対して否定ばかりを続けると、また、大人が否定的な言動ばかりを続けていると、それを見ているお子さまも肯定的な見方はできなくなってしまいます。まずは私達が、肯定的な見方、言動をする。それによって、私達大人も、そしてこれからを生きるお子さま達も「レジリエンス」が育ち、状況にうちひしがれた時に何度でも立ち上がり、前向きな行動が起こせると信じています。

 読書の秋、食欲の秋、そして運動の秋。色々な変化がある秋をまずは皆さんで楽しみましょう。

2021年10月01日