自分の思いを言葉で伝える大切さ
例年より短い夏休みでしたが、少し日に焼けた元気なお子さま達の歓声で、2学期がスタートしました。連日報道され、一向に減少しない新型コロナウイルス感染。「子供クラスター」という言葉も出始め、大変心配しておりましたが、まずはお子さま達が元気に、幼稚園へ来られたことに、教職員一同、感謝と嬉しい気持ちになりました。始業日の朝は、身支度もそこそこに遊びの輪に入っていくお子さま、久しぶりの幼稚園に緊張の面持ちのお子さまなど、様々でしたが、始業式では、背筋を伸ばし、2学期の教育活動やイベントについての話に目を輝かせながら聞き入る姿に、お子さま達一人ひとりのますますの成長が楽しみになりました。2学期は一年のうちで一番長い教育経験期間で、8月のCrops Thanksgiving Week、9月のPhysical Festival、10月のHalloween、そして11月の表現Festivalと毎月大きなイベントがあります。それぞれのイベントに向かっての体験や学習の積み重ねが、お子さま達の身体機能を発達させ、知的能力を拡充させていくことでしょう。その環境づくりを教職員一同でしっかり行ってまいります。
さて、夏休み中は預かり保育を利用するお子さまが幼稚園へ来てくれて、水遊びや異年齢のかかわりを楽しむ姿が見られました。普段の登園日よりも幼稚園へ来るお子さまの人数が少ないので、その分一人ひとりと話をすることができました。その中で、「今日は朝からとても嬉しいんだよ。だって、友達に書いた手紙を渡せるから。」と自分の気持ちを率直に教師に
言葉で伝えたり、「今先生が話しているんだけど、トイレへ行ってもいいですか?」と状況を把握して、教師に言葉で確認できるお子さまがたくさんいることに感心させられました。「自分の思っていることを言葉として相手に伝えること」は、実はとても難しいです。年齢が小さいうちは、伝え方や言葉がわからなくて伝えられなかったり、恥ずかしい気持ちがあって、伝えられないお子さまもいます。年齢が上になると、「自分の思っていることは、本当にあっているのか」「相手を傷つけないか」「場の雰囲気を崩さないか」など様々な思いが交錯して、結果伝えられないことが多々あります。
しかしコミュニケーションをとる上で、お互いの思いを伝え合う、知り合うことはとても大切で、相手の思いがわかっているからこそ、その人の状況を理解し、かけてあげるべき言葉を選び、より相手を大切に思ったかかわり方ができていきます。
小さいお子さまに対しては、もちろん気持ちを汲み取ってあげることも大切ですが、真の気持ちを察してあげるかかわり方よりも、特に年中、年長になる頃には、その子自身が言葉で伝えられように、本人の言葉を聞いたり、待ってあげたり、必要な言葉、伝え方を教えてあげることが大切です。
2学期の様々な活動でお子さま達はいろいろな体験をします。その中で、自分の思いを詳しく伝えられる力を養い、互いが理解し合える、高め合える環境になればと願っております。
日本人は他国に比べて「自己肯定感が低い」ことが問題になっているそうです。日本文化のよい「謙虚さ」をもちつつも、自分の良いところもダメなところも多角的にみて、自分のありのままを肯定し自信をもって発信できるお子さま達を育てていきたいと思います。
今年度はイベントや教育活動で変更や制限があり、ご迷惑をおかけしております。2学期もご父母さまのご協力をいただきながら進めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。