卒園・修了を迎えるにあたって
時折見せる太陽の日差しが暖かさを増し、嬉しい春の訪れを感じる卒園・修了の3月を迎えました。年長組は、ご家庭から離れて初めて幼稚園という集団の場所で様々なことを経験し、一区切りをつける卒園の月、そして年中組、年少組、そしてプレスクールの皆さまは、進級と新入園という一つのステップアップを迎える月になります。
特に卒園する年長組は、これから小学校への入学になります。小学校は幼稚園と違い、「学習意欲の旺盛さ」が求められ、今以上に「自発性」と「主体性」をもち「考える力」を培いながら学校教育を進んでいくことになります。それは生活面においても同じで、時間や場所、状況を自分で判断し、自分のことは自分で行わなくてはいけず、人間関係では、相手の気持ちと自分の気持ちに折り合いをつけ、コミュニケーションをとっていく力が必要になり、幼稚園生活との違いに戸惑いや不安を感じることが多くあるかもしれません。
そんな時、お子さま達にとって拠り所になるのは「家庭」です。お子さまの行動、言動によく耳を傾け、気持ちに共感してあげることで、お子さまの情緒は安定し、自信をもって「またやってみよう」という気持ちで出発することができます。ただし、お子さまの嫌なこと、困ったことを、親が先んじて解決してしまったり、「やらなくていいよ」と簡単に諦めさせてしまう「甘やかし」は、将来、何か困難なことにぶつかった時に自分で解決する力が培われなくなってしまい、親に依存してしまうので、気を付けましょう。
また何事にも好奇心旺盛だった2~3歳に比べ、年中、年長組にあがるにつれ、好奇心が旺盛な分だけ気が散り、飽きてしまい、さらに成長するにつれ、嫌気がさし、自分で苦手意識を増長したり、安易に妥協のへりくつをつくって逃げこむなど、せっかくの能力を失ってしまう人達がいます。
菅原孝悦園長先生は、人間の才能の中で「才能の才能」と言うべきものは、「取り組んだら途中で飽きない才能」をまず幼児期にしっかりと体得し、幼児期から一人ひとりの「心づくり」として、好奇心をもって取り組んだことに「楽しみながら続ける気持ち」を育てることが大切だ、とおっしゃられています。「飽きない心で毎日続けること」を一つでも見つけられたら、それはその人の一生の自信になります。好奇心をもって、様々な経験をする幼児期にその一つでも芽が紡がれるといいですね。
最後になりましたが、ご父母の皆さまにおかれましては、かけがえのない大切なお子さまをお預かりし、大過なくこの一年を終えることができましたこと、そのためにたくさんのご支援とご尽力を賜りましたことに厚くお礼申し上げます。そして父母の会の役員の皆さまをはじめ、クラスの代表など様々な係を引き受け、遂行して下さったご父母さま、本当にありがとうございました。来年度もどうぞよろしくお願いいたします。
そして卒園する62名のお子さま達、ご卒園おめでとうございます。みなさまのご多幸をお祈りしております