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「こども力」のもとは人間の原始行動

北国の大自然が錦絵に輝いた季節も衰え、雪虫の舞う11月になりました。インフルエンザの予防により一層のお心配りをお願いいたします。園でも出来る限りの万全を尽して頑張っております。

11月は冬のはじまりです。そして2学期の教育活動の集大成の月でもあります。園の具体的な教育方針は、一人ひとりのお子さまが、自分の言葉で考え、話し、書ける力を育み、培い、伸ばす「こども力」を豊かに育てる教育活動を実践しています。この「こども力」は今月28日と29日の「表現フェスティバル」でご覧いただきたいと思います。どうぞお楽しみにご来園下さい。

特に本園が力を入れている「英語力」の上達振りを各クラス毎に生きた英語を使っての「英語劇」でお確かめいただきとうございます。クラス毎の英語劇への取り組みは、最初は気後れして話し出せなかったお子さまも、その場を与え続けると次第に対応できる力が身についてゆき、単語の数も急激に増えたり、発音が正確になったり、プレゼンテーション能力が養われたりして、私のめざすバイリンガル教育の効果を飛躍的にあげてくれます。

幼児期のお子さまが、このような「力」を発揮できるそもそもの「もと」は何だ、とお思いになられますか。それは、赤ちゃんが生まれる前から、つまり生後「学習」して身につく前に赤ちゃんが持って生まれてきた「行動能力」だったのです。これを「赤ちゃんの三つの原始行動」と呼んでいます。一つは、「吸いつき行動」で、お母さまのオッパイに吸いついて飲みはじめる「行動」です。二つ目は、「抱きつき行動」で、お母さまに小さな手で力一杯に抱きつく「行動」です。そして、三つ目は、「ほほえみ行動」といって、腹一杯にオッパイを飲んだ後、背中を上下にさすって貰い、ゲップをした後に満足し切って、微笑む「行動」です。

この三つの原始行動を充分に満足させて乳児期を過ごしたお子さまは、その後「遊び」に対して身体中からわきあがってくるエネルギーを発揮する力が、どんどん豊かになって、健やかに育って参ります。これが「こども力」であり、「学ぶ力」の支えになるものです。「こども力」が伸びれば、こどもは自らの力で「学力」を伸ばしてゆく、とまでいわれます。

更に、人間として「教育」されるべき大切なことがもう二つあります。一つは、「想像力」を育てることです。幼児期にファンタジー(fantasy)の世界を夢見るゆとりを失わせないことも大事なことです。二つ目は、幼児期にこそ「マナー」(manner)のよい子に育てることです。マナーは立派な人生を生き抜くパスポートです。

ご自愛をお祈りしつつ。

2009年11月05日