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幼児期の「学習」は先づ「体験」の積み重ね

寒い日が続いた大寒も終り、「節分」を迎えると、次の日は「立春」です。春のはじめの月、2月を迎えました。日脚も少しずつ伸びて、何となく大自然の姿が少しずつ変化していることに気づきます。

園の教育活動の一年の総まとめの月でもあります。

人間の「発達」の特徴に目を向けた年令区分をしますと、3歳から7歳までは「幼児期」で、3・4・5歳を「幼児前期」、5・6・7歳を「幼児後期」と考えられています。

それは、3歳から7歳までの成長発達の仕方と、心身の変化の仕方の特徴(法則性)が多くの共通性をもっているからです。

8歳以降の発達とは大きく違っているからです。

「好奇心」の示し方一つとってみても、明らかです。

このような見方に立って、「幼児前期」の皆さまの可愛いお子さま方の日々の「成長と発達」に関っていますと、例えば入園当初3歳になったばかりの「年少児」のお子さまは、幼稚園の環境の中で目に入るものが次から次へとめずらしく、「なぜ?」、「どうして?」、「なんで?」の質問を、しかも一斉に教師へ浴びせかけます。

このことは、お子さま方の「知能」(知恵)が伸びてきた証拠であり、とても嬉しいことです。「なぜ?」は、「関係づけによって、認知された自分の世界を整理しようとする大脳の働きかけ」です。

つまり、目的関係(こういうために…)とか因果関係(こうだからこうなる)で納得したい欲求が旺盛なのです。

年少さんも夏休みを終えて2学期になりますと、「文字や数字や計算」についての習得意欲も旺盛になります。園では、一人ひとりのお子さまが自発的に取り組みができるように、教育活動の中で、「場面」「材料」(教材)と「機会」(opportunity)を提供して、できるだけ具体的な実物に接しさせ、からだ全体(特に手足)の運動をとおして生きた経験を積ませてきました。

年中児のお子さま達は、驚く程「考える力」が伸びました。「考える力」だけは、「環境」によって発達の度合いが左右されます。

それは、周りの環境(友達)の刺激によって動機づけされるからです。

動機づけされ、大脳の「海馬」にとり込まれ、「扁桃体」への刺激がくり返されて、「感覚記憶」が「短期記憶」になり、更に人生に一生役立つ「長期記憶」として、海馬から「大脳皮質」に移して蓄えられます。記憶の蓄えは、情報を「声に出して」暗唱する以外にありません。この大脳のメカニズムは、一生涯お忘れにならないで下さい。

来月号では、年長組さんへ「贈ることば」を準備します。カゼなどひかれませんようにお大事に。

2010年02月05日