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「学力」の基盤を培う幼児期の「教養」作り

幼稚園の一年で、三つの季節に跨る一番永い二学期がはじまりました。

七月、夏休み中のセカンドスクールでの年中・長組の宿泊体験学習、連日の好天に恵まれ、津波避難訓練に始まって閉校式まで終始楽しさ一杯の夏の思い出を心に残しました。

八月、始業日に続いての「食育活動」クロップス・サンクスギヴィング・デーの園庭ランチでは、五月以来育てて来た作物を収穫して、みんなで食べた屋外給食は、味も雰囲気も空気も最高でした。ペッタン・ペッタン搗いた餅のおいしさは格別でした。

九月、今月は、体育活動の大イベント、スポーツフェスティバル大運動会を19日(月)敬老の日、農試公園内のツインキャップ(屋内グラウンド)で例年通り盛大に行うべく準備しております。

更に28日には、秋の遠足で小樽水族館へ参ります。そして30日には、「北海道私立幼稚園教育研究大会」で「幼稚園におけるイマージョン教育の実践」というテーマで、各学年のイマージョン・クラスが「公開教育研究発表」いたします。全道から沢山の参観者が来園されます。

さて、本園では幼稚園からの「学力教育」に力を入れてきておりますが、この頃特に感じますことは、お子さまの「体験格差」のあることです。

具体的な例をあげて述べさせていただきますと、日本の伝統的な「昔ばなし」の「もも太郎」の絵本の「読み聞かせ」をしてあげます(年少・中)と、終った後で毎年必ず2~3人のお子さまから「えんちょうせんせい!『やま』ってどこにあるの?」とか、「『かわ』って、どんなの?」とか、と聞かれます。

「かず」や「もじ」や「英語のフレーズ」は、どんどん習得しているお子さまたちから「やま」や「かわ」のことを聞かれると、60年近くも「先生」と呼ばれている私にとりましては、どうしてよいのか分らないとまどいです。

このことから考えられますことは、生まれてから今までの実体験不足が第一にあることと、もじ・かずなどの知識先行で、生活全般について充分な理解力に劣ってしまっていることです。つまり、子どもとしての「教養不足」ということです。

人間にとっての幼児期は、「大脳の多重知性フレームの基礎をつくる上で最も重要な時期、つまり、その時期に変化・発達させなければ、その後の努力や環境もあまり意味をなさないのです。」

「幼児期の教養を身につける最善の方法は、絵本の読み聞かせです。」今日からでも遅くありません。お父さまでもお母さまでも2~30分のゆったりしたお子さまとの時間をつくり、同じ絵本でよろしいですから毎日読んであげて下さい。深い教養がバック・グラウンドにある子の「学力」は「役立つ学力」になります。ご自愛切に。

2011年09月05日