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『理解力』を深める-ことばから文字へ-

大寒も過ぎ、節分を迎えて立春になる2月になりました。インフルエンザの季節でもありますので、お子さまのウガイ・手洗いの習慣は是非お続け下さい。

さて、冬休み中にいただいた教育関係の友人(後輩)・知己からの年賀状に私の「国際理解教育に伴うバイリンガル・イマージョン教育」に対する感想や評価が例年になく述べられていました。とりかかって24年目を迎えて、漸く世間一般にその功罪が問われはじめたことに嬉しさを禁じ得ません。「あゝ、漸くここまで辿り着いたか。長く厳しい道程だったなぁ!」と、熱い涙がこぼれてしまいました。

日本の幼稚園教育の中へ国際理解教育をとり入れ、バイリンガル・イマージョン教育に真正面から取り組んだ前例は日本にありませんでした。平成元年(1989年)に人間関係と言葉と表現の三つの領域に股がる具体的な教育活動として英語にとりくみました。

日本で生れた赤ちゃんが日本語を習得してゆくのと同じ方法で、日本の幼児に英語を習得させてゆく実践の試行錯誤は想像を絶する苦難の連続でした。教師陣としての人材の確保と養成、私の教育哲学の滲透、チームティーチング教師間の宥和などなど、当初の10年くらいはご両親さまの評価など、緊張の連続でした。こんな中でも、私の信念は少しも揺ぎませんでした。

それは、「グッド・モーニング!」といって、毎日楽しそうに登園してくる幼な子たちの姿でした。私は間違ったことはしていない、という確信でした。昨年9月、全道の第54回幼稚園教育研究大会で発表し、絶讃を受けました。大げさかも知れませんが、私の思いは「エベレストを見事登頂し終えた」感一入です。

今年は、年長組に日本語(国語)辞典を使わせて、「辞書引き活動」を行い、語彙を増やし、ことばの意味が分り、読めて書けるスキルを鍛えてゆきたい、と準備しております。

「実用英検」の3級や準2級を受けるお子さまたちから、時々「何を聞かれているのか言葉の意味が分らなかった」、ということを聞かされます。日本人が日本語でつまづくなんて、残念です。日本人が日本語を覚えるのに早いも遅いもありません。必要になった時が覚え時です。

今、幼稚園教育の中で求められていることがあります。

それは「五感を鍛える活動」の取り入れです。「食の自立」といわれる食べものを自分でつくって食べる活動を通して、人間の五つの感覚が研ぎすまされます。お子さまが3さいを過ぎる頃から興味を示すクッキングへの積極的な参加(手伝い)を工夫してあげて下さい。視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の健全な発達こそ、明るい人生をつくる源です。カゼをひきませんように。

2012年02月05日