マナーは、人格の基礎・人生のパスポート
ご父母の皆さま、お元気にお過ごしですか。冬休みに入る終業日の日に、私は園長として園児達の冬休み中の心得の中に、「お客さまへの挨拶」のことを強くお話しました。クリスマスやお正月のある冬休みには、お客さまなど初めてだったり、久し振りだったりの人に会う機会が増えると思います。
その時、子どもの皆さんが一番最初に話しかける言葉は「ご挨拶」です。
「クリスマスお目出とうございます。」や「(新年)明けましてお目出とうございます」と、お客さまにご挨拶して下さい、と約束しました。皆んな、実行してくれたことと思います。
「挨拶し合うことの根本は、相手の存在を確かめ合うこと」、といわれます。このことは、人間同士が社会生活を営んでいく上での第一歩であります。人間同士「差別のないかかわり」です。「いじめ」の起らない世界です。 私は、「いじめ」の起る根本の背景は「差別」にあることを11月号のコラムに書きました。
爽やかな気持ちのいい「挨拶」を交わし合うことを心がけましょう。
余談になり恐縮ですが、私は今、80年の人生を振り返ってみて、確信をもって言い切れますことは、「マナーのすばらしい人程、社会の重要な立場で、確かな責任を果している」と申し上げることが出来ます。
言葉づかい、立ち居振る舞い、礼儀作法をはじめ、教養、魅力溢れる人柄……。話をしていて引き込まれ、信頼感が湧く落ちつき、などなど、この世の中で必ず出あいます。私は毎日可愛いお子さまたちに接していて、何時もこのような人間像を心の中に描いております。
人生は学力も大切ですが、学力を生かす周辺機器も学力以上に大きな役割をするもののようです。
マナーについて、もう一つの実話をお話しましょう。
もう23~4年前になりましょうか、私の大学の同期で友人だった橋本氏(故人)が東京のホテルオークラの総支配人(G.M.)をしていた頃、彼から直接聞いた話ですが、世界でも日本でも一流と評される人は、ホテルの部屋の使い方とベットの使い方が一般の人達に比べて格段の違いのあることでした。一流の人達はベットを乱さないことと部屋を乱雑に散らかさないことでした。
このことは、「使った後をキチンと整え直す」心くばりがある、ということです。「金を払っているのだから、あとのことなど考えないで使う」という淋しい心を持ち出さないノーブルな人徳が身についている、ということでしょう。お子さまの人生を決める幼少期の子育ての大切さを心にかけて今月も汗を流します。カゼをひかれませんように。