贈ることば
いよいよ今年度最後のコラムになりました。創立48周年576号のインフォメーションになります。
しかも今月号は、子育て支援プレ学級から通って下さった皆さまには、4年の長い園生活とのお別れの号でもあります。卒園を迎えられる皆さまには、2年なり3年なり4年なりの皆さまの「人間としての発達・成長にとって、最も重要な期間(ゴールデン・タイム)」このインターナショナル山の手幼稚園の教育活動を通して、日本人の先生方と共に沢山の外国籍の先生の指導を受け、皆さまも楽しさの中で沢山のことを学び、工夫し、気づき、思いやりや優しさや深い心のつながりを結び合うことができました。
私は園長として自信と誇りをもって皆さまを小学校へ送り出します。堂々と生き抜いて幸せな一生を送って下さい。
今、お別れするに当って、皆さまの人生の先輩として、皆さまが堂々と生き抜いて幸せな一生を送るための日頃の「心構え」を二つだけ話してあげましょう。
一つ目は、今から2,400年くらい前のギリシャの哲学者で、現在の医学や科学や倫理学や政治学や詩学などの「元」(もと)を考え出したといわれるアリストテレス(Aristoteles BC384-BC322)のことばに「子育ての基本」として「素直・真面目・一生懸命」に努力する人間に育てることが最良、とあります。
私も81年生きてみて、実感を込めてこのことばの通りと思います。
二つ目は、徳川幕府(1603~1867)15代265年間の武家政権の基を築いた徳川家康(1542~1616)(松平元康)の遺訓の一つです。それは「妬み多き者と組むな」です。これは、友だちでも、夫婦でも全ての人間関係に通じます。
日本社会は、国際的にみても不思議な「嫉妬社会」といわれています。妬み合い足を引っぱり合って、最後は「自分の魂をも傷つけてしまう病癖」を持っている社会です。
ですから傑出したベンチャー企業家が現れにくい風土の国でもあります。
「足を引っ張り合う」風土の背景には、農業国で長い間生きて来た国民性の残骸です。田や畑の同じ面積からは、同じ収益しか生じない、という「みんな平等であるはずだ」、の平等風潮に立脚している社会だからです。
国際社会に生きる皆さんは、このような「平等妄想」は心身の中から綺麗に捨て去って下さい。
人間は、一人ひとり顔の形が違うように「能力」も違うのです。
人の能力を羨ましがって妬むより、「自分の能力を高める努力」をすることです。妬んで足を引っぱって、相手を不幸にしたからといって、自分が幸福になれるものでありません。「いじめ」にかかわらせない子育ての根本もここにあるのです。どうぞお幸せに!!
追伸、又々全国教育美術展で今年も北海道一の栄誉に輝きました。連続最多入賞です。お慶び下さい。