HOMEMESSAGE FROM IYK > 人間は『10人10色(といろ)』

人間は『10人10色(といろ)』

ご家族みなさまお揃いで、お元気でしょうか。

一年中で一番寒い「大寒」が過ぎて、「節分」を迎えますと、暦の上では2月は春のはじまりです。寒さの長いトンネルを抜けたからといって、「ウガイ・手洗い・人ごみをさける」の3つの心得を怠ると、これからはインフルエンザの本格的な流行期に見舞われます。どうぞ気をゆるめないで、「ウガイ・手洗い」の習慣を毎日お続け下さい。これが何よりの予防策になります。

さて、年始のテレビ番組で「民主主義の在り方」や「教育の現状」についてのアジア諸国の取り組みをご覧になった方も居られると思います。

私は、こうした放映を毎日興味深く見ましたが、「教育の方法」において、ギリシャ時代のスパルタやローマ時代の軍隊式の方法から一歩も進歩していないことに愕然とし、大変落胆しました。人類は歴史の経験を学習・記録する能力より、忘却する能力の方がずば抜けて優れている動物なのだと、つくづく痛感させられました。

つまり、「集団画一強制教育」(民主主義社会であろうとなかろうと)の方法だけが、の人間の能力を引き出し、鍛えあげ、試験に勝ち抜き、成功を掴む人材に育つのだ、という「幻想」から4000年の歴史を経ても覚めていないのが、教育方法に対する人類の現状のようです。

私は、日本も含めて世界の歴史を省み、民族や国家の興亡をみましたとき、集団画一強制主義の教育方法をとった国や民族は、一時期は隆盛を極め世界支配さえ意図しますが、「盛者(じょうしゃ)必衰(ひっすい)(ことわり)表す(あらわす)」と、平家物語にありますように早晩滅亡する運命を抱えていることに気付かされます。

私は幼児教育を実践するにあたって、「深い幼児理解と徹底した発達理解」を教職員と共に研究し続けています。

その結果、「人間は同じ両親から生まれようと、生まれまいと、一人ひとり別々の性格や才能や得手不得手や興味や理解力や発想や集中力や好奇心・・・・・をもっている存在であるので、先ず第1に、どんな人間(幼児)であるか、そして第2に、今までどんな環境で育ち、どんな発達段階にあるのか、を最大限見極めて、その上で一人ひとりの教育方法を処方する」教育を実践してきております。

人間にはいろいろなタイプがあるのです。

古くは、「阿弥陀経」という仏典に、青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光ということばがあります。極楽世界の光景を描写したもので、青色の花からは最高の青い光を発しているように、黄色い花に赤い光を発しさせるようなことをしてはならないのです。

また、ドイツの教育哲学者ルドルフ・シュタイナーは、子どもを胆汁質、多血質、粘液質、憂鬱質の四つのタイプに分け、それぞれのタイプに合った教育方法を解明しました。日本でも集中力と持続力を軸にして、エネルギッシュな受験向きのバリバリ型、継続は力なりを地でゆくコツコツ型、天才肌の気まぐれ屋のテキパキ型、何もかもスタートでもたつくフワフワ型に分けて、それぞれのタイプに最も効果的な教育の方法をとり入れ始めました。

一人ひとりに合った方法こそ、最大の効果をあげる教育ではないでしょうか。まだ寒い日が続きます。ご自愛切に。

2008年02月05日