幼児の発育と身長
桜の満開が待ちどうしい5月になりました。気温も安定して、何か良いことがやって来そうな楽しい季節のはじまりです。
今年の新入園のお子さまは登園第一日目の朝泣いていた子が2人だけで、それも20分ぐらいで泣き止んであとは友だちの仲間入りでした。今は皆んな楽しそうに過ごしております。ご両親さまをはじめご家族の皆さま方、どうぞご安心下さい。
これからは、一日一日心身共に逞しくなって、「自立」してゆきます。お楽しみに!
さて、過ぎた「昭和」の頃は一般論として、子どもは「春は身長が伸び」、「秋は体重が増える」、と思われていました。今は、幼児の発育は季節にあまり関係がない、と考えられるようになりました。それは、「食生活」の豊かさが、一年中何でも食べられるようにしてしまったからでしょう。
男女の違いを念頭に置きながら、身長が伸びる時期の目安をあげてみましょう。
男の子も女の子も幼稚園時代の3歳から5歳ぐらいまでは6~7cm(年間)で、小学校3年生ぐらいまでは5~6cm(年間)ですが、次の10歳から14歳くらいまでの思春期には6~10cm(年間)、一生涯で身長が一番伸びる時期を迎えます。男の子は、その後も18歳ぐらいまでは年間平均4cmぐらい伸びますが、女の子は初潮を迎えますと、16歳ぐらいまで平均6cmほど伸びて、止ってしまいます。
これは「成長ホルモン」と骨の成長に大きく関わる「ソマトメジンC(1GF-1)」というアミノ酸の一種の働きが左右しているのです。
子どもの骨には「骨端線」という軟骨部分がついており、男の子では17歳前後、女の子では15歳前後で、この骨端線がなくなってしまいます。(骨端線閉鎖)これがなくなると、身長の伸びは止まります。
もちろん、身長には、「食事・睡眠・運動」の大切なことは申し上げるまでもありません。「食事」では、たんぱく質・コラーゲン・亜鉛・カルシウム・ビタミンD・ビタミンKです。幼児期の食事は、「量より質」が大事なことは申し上げるまでもありません。
「睡眠」は、幼児期は「長いほど良いこと」です。「寝る子は育つ」の諺通りです。
特に、夜9時から午前3時までは、ノンレム睡眠(深い睡眠)に入っていることが最も重要です。この時間帯に「成長ホルモン」の分泌が活発化し、骨が伸びて身長が伸びるのです。
牛乳やバナナを食べてトリプトファン(アミノ酸)を増やし、脳内物質セロトニンの分泌を促進して、メラトニン(睡眠ホルモン)によって身長が伸びる時間に「深い睡眠」に入るのが、幼児の「頭をよくする」最良の子育て、と確信しています。お幸せに!