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幼児期の「愛着」形成

7月を迎えました。私達をとりまく自然は、すっかり「緑一色」に変身してしまいました。3月までの「白一色」からの大転換です。

気温もあがって真夏を思わせるこの頃です。

更に、驚かされることは、4ケ月前に新入園のお子さま達の逞しい発達と成長ぶりです。

人間の成長・発達には臨界期がありますが、一番めざましいのは「ことば」のかずが増えたことです。しかも日本語にない英語の発音も正しく発することのすごさです。

しかし、私がこの頃心配していることは、何かを正確に話せたり、行動が上手にできたり、物ごとを沢山知っていたりすることにご両親も先生も気を取られて、この子たちは「幼児期」にある、ということを忘れがちになっているのではないか、ということです。

余り成長の先を急いでしまいますと、幼児期にしっかり身につけなければならない大事なものを、急ぐ余り置き忘れてきてしまうことを私は心配するのです。

その大事なものとは「愛着の心」です。

愛着の心は、主に「母親との関わりで相互的に形成され効果が最もよく現れる時期1歳半から2歳くらいまでで、母親との間で育まれる相互的関係、『絆』です。」つまり、「幸せホルモン」と呼ばれる母乳分泌や陣痛分娩を引き起す「オキシトシン」というホルモンの働きで母性を生み出す源であります。

愛着は産んだだけでは芽生えず、授乳や抱っこ、昼夜問わずの世話を通して母と子の双方に育ってゆく愛情であり、物心がつく前の愛着の良否が、そのお子さまの一生を左右するといっても過言ではありません。

私がとても心配しますことは、女性が男性と同等に頑張ることの意義が強調されるあまり、出産や育児などは低くみなされてしまうことです。

しかし、母親であることは片手間に出来ることでは絶対にありません。必ずその皺寄せは子どもにも親にも来るのです。

今の時代に「母親の役割の重要性」を言うことは「不都合な真実」を言うように聞こえますが、社会問題としては現実にも政治的にも本当はそこを変える政策が改善の近道であり、「女性の能力を国益に生かす」改善策でもあります。

政治の力で、母親の子育ての関り方(産休期間等)を少し変えるだけで子どもも親も楽になれます。愛着障害を中年期まで引きずり、対人関係の苦労や心の不調を生涯持ち続ける人生にかかわらない生き方をしたいものです。

今年は春が遅かったせいか一学期がすごく短く感じられました。夏休みに入ると「宿泊体験学習」があります。全ての計画を無事に終えて暑い夏を元気に過ごしたく思います。

一学期中の力強いご支援とご協力に厚くお礼申し上げます。楽しい夏休みを!

2013年07月05日