すなお・まじめ・一生懸命の人間性を育てる
Merry Christmas and a Happy New Year! 無限の可能性に満ち溢れて、日々発達し続ける可愛いお子さま方のお健やかなご成長に今年も精一杯力添えし、汗を流して参ります。どうぞ温かいご支援をよろしくお願いいたします。そして、皆さまにとりまして、幸せ多い新年でありますよう心からお祈りいたします。
旧臘の一日と二日に行ないました園の教育イベント「表現発表会」には、寒い中にも拘らずご父母さまをはじめご家族さまお揃いで沢山の方のご来会をいただき、温かいご声援のかずかずを下さいましたこと、厚くお礼申し上げます。幼稚園を創立してから48回目の発表会でしたが、「鬼の霍乱」で咳が止まらず二日目は休んで仕舞いました。体調とはいい乍ら不覚をとり申し訳なく心苦しく存じております。今は快復しましたのでご休心下さい。
さて、平成25年(2013年)という年にあたっての園の教育運営の基本を少し申しあげます。私の園運営の基本哲学は「幼児に最善の環境を準備し、その環境を通して、幼児期に必要な発達課題を与え、対応させてゆき、『生きる力』を培わせる」、という幼稚園教育の基本中の基本にあります。顧みますと、ここ数年の間、幼稚園教育にとって現実的にも制度的にも動揺させられ、「幼児期の教育の影が薄くなって」来ておりました。
「保育に欠ける幼児の行政対応」の方に社会の目が向けられ、場当たり的な制度改悪や基準改訂などで、百有余年の歴史と伝統と実績をもつ「幼稚園(学校)」の存在と、「幼稚園教育(学校教育)」の成果を蔑ろにするような文教政策が続けられることに心を痛めていました。
パニック商売が蔓延る現代社会では、何か(保育所不足)が起こると、それだけが大事な大事件のように社会全体がパニクッてしまい、根本の「幼児教育」の重要性が問題意識の中から消えて仕舞う、という社会病に侵されるのです。幼児にとって、幼児教育と保育所不足の問題とは、次元も本質も全く無関係なことであります。
国家として、幼児(国民)に責任のある教育を行うということと、保育に欠ける幼児の保育施設が足りない、ということとは別次元のことです。
日本の幼児教育は「幼稚園」以外に代行機関も代行施設もありません。
それよりも、文部科学省は「協力者会議」などを一日も早く設置して、20年以上たった「幼稚園教育要項」の改訂に一日も早く取り組むべきであり、「日本の幼児教育の礎」を確たるものに守るべきであります。
標題に揚げました「すなお・まじめ・一生懸命な人間性育て」は、古代ギリシヤの哲学者でアテネ郊外に学校(リュケイオン)を設立して幼児教育から大学教育までの「教育体系」を確立したアレクサンドロス大王の師、アリストテレス(BC384~BC322)の「人間教育論」の核心の言葉であります。寒さに向う折、ご自愛くれぐれも。