相手を認めつつ、自分の能力を高める努力をすること
今年の冬は例年にない大雪に見舞われましたが、柔らかな日差しに春を感じる今日この頃です。
年少中のお子さま達は、「一つ大きくなる」という喜びに溢れ、一つ一つの活動、行動に自信をもって生活する姿が見られています。そして年長組のお子さま達は、楽しかった幼稚園を卒園する少しの寂しさと、小学校入学という大きな期待に胸を膨らませ、卒園記念製作の「絵本づくり」そして卒園式の練習に一生懸命取り組んでおります。
先日、英語参観日の動画撮りがあり、お子さま達の活動に参加する様子をじっくりと見ることができたのですが、何よりもお子さま達がEnglish teacherのことが大好きであるということ、そして大好きな先生が話している英語を注意深く聞き、活動に集中し、英語で伝えようとしている姿がとても微笑ましく感じました。
また、最近よく感じることは、お子さま達の友達に対する温かい「思いやり」や「やさしさ」です。Phonics活動でアルファベットカードを選んでいる友達に「こっちこっち!」と優しく、しかも控えめに教えてあげる姿、English teacherの元に持って行ったカードが正解していると「すごいね!」「やったね!」と自分ごとのように喜び、スキンシップをとって褒め称える姿。グループ活動で、いくつかの文章カードを組み合わせる時に、わからない友達に詳しく教え、できると「よくできたね!すごい!」と声をかけてあげる姿。外遊びへ行く準備をしている時に、長靴を上手く履けないお子さまの両端にいた友達が、二人で一生懸命履かせてあげようとする姿。色々な場面で「やってあげる」優しさ、「待ってあげる」優しさ、「褒めて励ましてあげる」優しさなど、たくさんの優しさが幼稚園中に溢れています。
日本社会は、国際的に見ても不思議な「嫉妬社会」と言われているそうです。妬み合い、足を引っ張り合う。この風土の背景には、農業国で長い間生きてきた国民の残骸で、田や畑の同じ面積からは、同じ収益しか生じない「みんな平等であるはずだ」という平等風潮に立脚している社会が根にあるとのこと。また親鸞聖人は「人間とは、煩悩の塊であり、欲も多く、怒り、腹立ち、そねみ、ねたむ心一杯で、臨終の瞬間までそれらの煩悩は止まらず、消えず、絶えないでものである。」と書き遺しています。
しかし目の前にいるお子さま達は、優しく、心清らかなお子さま達ばかりです。外国籍の先生達がたくさんいるインターナショナル山の手幼稚園で培った「一人ひとりみんな違ってそれでいい、認め合う気持ち、助け合う気持ち」をいつまでも持ち続け、人の能力をうらやましがって妬む、妬んで足を引っ張るのではなく、「相手を認めつつ、自分の能力を高める努力」をするお子さまでいて続けてほしいと願っています。
年長組さん、ご卒園おめでとうございます。何時までも皆様のご多幸を祈り続けております。
そしてご父母の皆さま、今年度も温かいご支援とご協力をいただき、本当にありがとうございました。