体力の基礎づくりに絶好の季節
野山の花華が勢いよく一斉に咲き誇り、北の大地の気吹きを実感させる6月を迎えました。一年中で私が一番大好きな季節がやって来ました。
幼児期のお子さま方にとりましては身長の伸びる季節です。特に年少児のお子さまは旺盛な成長ホルモンの働きで、寝ている時にからだがピクン、ピクンと動いて骨の成長も感じられる時期です。カルシウムを沢山含んだ食材で、からだづくりをしてあげたいものです。
お父さま・お母さま世代の幼児期と、今のお子さまの体力・運動能力の調査比較を文部科学省が昨年発表したデータによりますと、今のお子さまは男女共に身長では平均で2.6cmから2.8cm伸びていますが、50m走では0.11(秒)から0.15(秒)遅くなっており、ボール投げでは、2.41mから3.58m短くなりました。更にスキップをするとか、靴のひもを自分で結ぶなどという「自分で自分のからだを操作するなどの能力」は、著しく低下していることが明らかになりました。
このような「体力」の低下は、お子さま方の健康面に悪影響を及ぼすばかりでなく、物事に取り組む意欲や気力といった精神面の充実にも深く関わっており、人間としての健全な成長・発達ばかりでなく、病気からからだを守るという「免疫力」の低下にも繋がってゆきます。
3歳から6歳までの幼児期は、「歩く、走る、跳ぶ、投げる、捕まる」などの基本的な動きが著しく発達する大変重要な時期であります。更に平衡感覚や空間認知能力などのバランス感覚も発達します。個人差はありますが運動能力の発達も目覚ましく、これを支える神経系の発達は、6歳頃までに成人の90%程度のレベルにまで達するといわれています。
「よく食べ、よく動き、よく眠る」基本的な生活習慣を幼児期に身につけておくことこそ、「健康の3原則」です。
園では、平衡感覚やバランス感覚を鍛えるために水泳や一輪車に取り組ませ幼児期に最適な方法で「体力づくり」を進めております。
ご家庭では、お父さまやお母さまとの一日10~20分の散歩が、お子さまの「体力」をグンと伸ばす「魔法の力」になります。
また、夏に向うこれからの季節は、大人も子どもも意外とストレスの溜まる時期です。
ストレスを昇華(発散)させるには、脳内のセロトニンを増やすことです。それには三つの方法があります。ひとつは、「朝の太陽の光」をからだに受けること、次に、「リズム運動」をすること、そして第三に、「感動の涙」を流すことです。
知的好奇心の旺盛な幼児期に言語感覚を育てるねらいの俳句活動も順調にすべり出しております。皆さまのご多幸をお祈りしつつ。