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優れた「才能」の原石に係る誇りと責任

北半球の自然界の植物が実を結びはじめる9月を迎えました。いよいよ幼稚園の一年中で夏・秋・冬の三つの季節に跨がる一番長い学期のはじまりです。

幼児期のお子さま達は、この学期中に大人の想像をはるかに越えた成長と発達を、しかも速いスピードでからだの内(大脳)と外で急激に進んでまいります。

2歳児くらいから6歳児くらいまでの成長と発達の流れを私の経験にそって、大まかにまとめてみますと、

2歳児では、ある一つの言語体系で用いられる単語の総体である「語彙」(vocabulary)の増加がめざましく、「探索行動」の行動半径も広がって、自我の表れと共に盛んな「模倣」がはじまります。

3歳児では、歩く・走る・跳ぶ・はねる・座る・立つ・のびるなどの基本的な運動機能の発達と食べる・飲む・眠る・起きるなどの基本的な生活習慣が身についてきます。そのもとで、めざましく発達するのは旺盛な「知的好奇心」や関心の高まりです。この好奇心や関心との取り組みが「幼児教育」の最大の課題なのです。

4歳児では、身近かな環境への積極的な関わりを持つようになり、心身のバランス能力が発達して感情の分化が進み、想像力や目的意識や試行錯誤の気持ちが芽生え不安や葛藤の精神状態になりやすい時期です。友達関係も広がりますが、不安定な状態も多く、信頼関係が固まりにくい時期でもあります。

5歳児では、ルールの理解もできて基本的生活習慣も確立し、目的をもった集団行動も上手にとれるようになり、人間関係がうまくゆくための「工夫と思考力」が芽生えてきます。お子さまによっては、理くつっぽくなり、科学内容の絵本や本を好んで読むようにもなります。

幼稚園卒園の6歳児になりますと、全身運動も巧みになり、自信もついて自分や友達の行動の予想や見透し力も発達して、自立と協調の態度も少しずつ上達し、「文字」や「かず」や「自然事象」への興味や関心も一段と深まって意欲的に取り組むようになってきます。

ここまで成長発達する一人ひとりのお子さまの「内発力」(才能、コンピテンス)に「教育」という力を添えて、お子さまにとって毎日がハッピーになるように静かに寄り添うのが私達教職員の使命と心得ております。

本園のお子さま一人ひとりは、「世界一の資質」に恵まれた才能の原石であります。

私達教職員は、この原石とかかわりあえる貴重なチャンスに感謝し、この原石が将来日本を、
いや世界を動かす人材であることを誇りに思う毎日であります。

ご両親さまのご多幸をお祈りしつつ。

2010年09月05日